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理事長挨拶

阿波あいネット理事長挨拶

理事長 松久宗英

令和6年6月25日より、永廣信治前理事長の後任として、一般社団法人阿波あいネットの理事長を拝命しました松久宗英です。
阿波あいネットは、平成29年度の総務省事業の「クラウド型EHR (Electric Health Record)整備事業」として、徳島大学病院と徳島県医師会、徳島県が中心となり、徳島県内の医療施設および介護施設をネットワークで結び、県民の医療・介護情報のうち中核医療機関の病名や検査結果、薬の内容、処置内容などを電子的に施設間で共有することにより、個人の治療や介護に役に立つサービスを提供するために設立された組織です。令和元年から、一般社団法人阿波あいネットに引き継がれ、ネットワーク事業の自律的運営と機能の強化が行われてきました。特に永廣前理事長のリーダシップと徳島県の手厚いご支援のもと、閲覧職種が医師および歯科医師から看護師と薬剤師に拡張され、中核医療機関の画像情報の連携が実現し、調剤薬局の参加が進んでいます。
今後は、徳島県が推進する徳島医療コンソーシアムの全参画施設が情報公開施設となり徳島県全体をカバーするネットワークとしての意義が確立し、さらに介護施設の参加による機能の多様化が進むと期待されます。

COVID-19のパンデミックや度重なる災害を乗り越える中、医療のデジタル化は待ったなしの国家事業としてもクローズアップされています。マイナンバーカードを用いた個人認証からスマートフォン等を介したマイナーポータルでの健診結果や処方情報の取得、さらには今後進められる電子カルテの標準化に基づく医療情報との連携が進められています。医療情報が高い安全性の下で適切に連携されることは、慢性疾患では医療の効率化および均一化から質の向上につながり、緊急時には正確な情報に基づく救急医療や災害医療の実践につながると考えられています。
その完成には未だ時間を要しますので、阿波あいネットではこれらの動きと連動しながら、徳島の皆さんの声を反映できる医療者に役立つネットワークとして、これからも進んでまいります。

この徳島の先取の気性を真に実現するためには、多くの県民の皆様の登録と多くの医療者に活用されることが不可欠です。
これからも、阿波あいネットを育てていただき、地域医療に資するネットワークとして成長できますよう、私どもも全力で進めて参りますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

令和6年6月25日

一般社団法人阿波あいネット 理事長 松久 宗英
(徳島大学 先端酵素学研究所長、糖尿病臨床・研究開発センター長・教授)