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理事長挨拶

阿波あいネット理事長挨拶

理事長 永廣信治

阿波あいネットは、徳島県内の医療施設や介護施設をネットワークで結び、住民や患者さんの医療介護情報のうち病名や検査結果、薬の内容、処置内容、介護情報など必要なものだけを電子的に保存し施設間で共有することにより、各個人の治療や介護に役に立つサービスを提供するために設立された組織です。阿波あいネットは、平成29年度の総務省事業の「クラウド型EHR (Electric Health Record)整備事業」を徳島大学が受け、徳島大学病院と医師会、県が中心となり、徳島県下全域への基盤整備と住民・患者登録を行い、その後の運営事業を引き継ぐ形で設立されました。

地域の住民の方々は病気や怪我の治療あるいは介護が必要な時には、近隣の医院や介護施設を利用されると思いますが、専門的な治療が必要な場合には、大きな病院特に大学病院や県立病院または自治体、民間の中核病院や救急病院などで治療を受けられるでしょう。治療後に再びかかりつけ医院や介護施設で治療を行う際、中核病院で受けた治療内容や検査内容を詳細に知ることは大変有用です。このように複数の施設間で医療情報を共有することは、地域住民や患者さんにとって大変有用で重要なことなのです。急病や大きなけがで救急病院に搬送された場合も、以前に他の施設で受けた検査、診療内容を即座に把握できれば、搬送後の診断や治療に大変貴重な情報となります。現在脅威となっている新型コロナウィルス感染症のような体面診療に感染のリスクを伴う場合にも、オンライン診療でこの阿波あいネットの診療情報を利用することは有用です。また地震や洪水などの災害により医療機関が壊滅的打撃を受けて施設内に保存されていたカルテや検査情報などが失われても、個人と施設が阿波あいネットに登録していればその診療情報を参照することで、被災者の持病の診療を適切に行うことができます。大事な個人情報保護に関しては、厳密なルールで運用しています。本年度には病院間の画像連携を整備予定であり、一層便利になります。

阿波あいネットはまだまだ始まったばかりで、徳島県内において本当に有用な形で利用されるためには、多くの住民の方々、特に複数の病院・施設を利用している患者様方が「阿波あいネット」へ参加登録をされ、県内多くの医療や介護施設の皆様が「阿波あいネット」を利用するために参加されることが必要です。是非とも徳島県内の住民の方々でいくつかの病院にかかっておられる方の同意登録と、すべての医療・介護施設の皆様の利用参加を切にお願い申し上げます。

阿波あいネットとしても、皆様のご意見を伺いながら使いやすい医療連携ネットワークの構築と運営を目指しますので、どうかご協力をよろしくお願いいたします。

2020年8月